音楽のように

ヒストリカルクラシックのブログ

私とオーディオ その2

アンプの修理

 2月半ば、我が家のメインシステムのアンプにトラブルが発生して、修理をすることになりました。CDなどライン入力は問題なく鳴るのですが、レコードを再生するためのフォノ入力が鳴らなかったのです。重量30㎏のアンプ(DENON PMA-SX1)なので、出張修理をお願いしたのですが、来てくださった修理の方の判断で、持ち帰っての修理になりました。

 そして先日、ほぼ一月半ぶりに、しっかりと直って戻ってきました。時間がかかったのは、メーカーでもまだ遭遇したことない不具合だったからで、何人も集まって、何度もテストをして、直してくださったそうです。修理明細書にはたくさんの部品を交換したことが書かれていました。大変、丁寧に修理してくださったことが分かりました。

 

 今回の修理で担当してくださったのはベテランの技師の方でした。LPレコード(ナタン・ミルシュテインとアルチュール・バルサムのベートーヴェン『春』とベルナール・ミシュランのチェロの小曲を数曲)をかけて、少しお話をしました。長年、オーディオに携わって来られた方なので、たくさんのオーディオ機器を聴いてこられて、また、知識も深く広くおもちで、いろいろ興味深いお話をきかせていただきました。

 我が家のアンプは、パワーアンプに、入力切り替えのためのセレクターと音量調節のためのヴォリュームがついただけのシンプルなもので、テスト用のスピーカーでもとても良い音がしたとお墨付きを頂きました。また、スピーカーのタンノイは、家庭にはちょうど良い大きさで、また同軸ユニットのため、低音から高音まで同じところから音が出て気持ちがよいとおっしゃってくださいました。

 ただ、レコードに関しては、もう少し良いカートリッジを使ってあげてください、とのことでした。 ふだん、聴くのがほとんどCDの私たちなので、レコードのカートリッジはMM型を使っていました。カートリッジというのは、アームの先のレコード針がついているところのパーツのことです。たいていのレコードプレーヤーはこのパーツを交換できるようになっています。

 カートリッジには大きく分けてMM型とMC型の2つの形式があり、MC型の方が再生周波数が広く、細かい音が出て、その再生音はハイレゾだということができます。現代のデジタルオーディオでもハイレゾの再生が流行していますが、これは、デジタルをいかにアナログに近づけるかということが基本になっています。

 私たちはクラシックを聴くので、MC型の方が適しているのですが、近年、カートリッジをつくることのできる職人さんが減っており、MC型カートリッジはとても高価なものになってきています。ほとんどコイルを巻くというだけの作業なのですが、それには職人の技がいるそうです。

 「車に積んでいるけど、聴いてみる?」と技師の方がおっしゃってくださり、DL-103という、NHKで使われていることで有名なMC型カートリッジを持ってきてくださいました。そして、今ついているMM型カートリッジとシェルごと交換してくださり、いよいよ音出しです。

 すると、やはり出てくる音の細かさが違います。バイオリンの弦のかすれる音が聴こえてきました。ただ、今使っているMM型カートリッジも、元気なところや聴きやすいところなど、長所もあると思いました。所有するMM型カートリッジと103とは価格的には10倍以上も異なり、おいそれと手を出せるものではありません。ですからMC型の103を聴くことができたのは貴重な体験でした。ただ、この103も以前は1/3程度の定価だったので、技師の方も「もう少し安ければなあ」とおっしゃっていました。

素敵なお土産

 他にもたくさんお話を伺いました、奈良や小豆島など、いろいろなところへお仕事で出かけられるそうで、楽しいとおっしゃっていました。手先の器用な方で、木彫りも趣味とされていて、鹿や小鳥など、つくられたものをいくつか見せてくださいました。そして、別れ際に、なんと木彫りのカワセミを記念にとプレゼントしてくださいました。美しい、とても素敵なカワセミです。丁寧な修理をほどこされてアンプが返ってきたこと、そして美しいカワセミを我が家に迎えたこと。この二つのことで、今回のアンプの故障は、かえってよかったのではないかと思いました。ちなみに、保証期間内だったので、修理代金は無料でした。

 担当してくださった技師の方、メーカーの方、この度はありがとうございました。これでまた最高の音で音楽を楽しむことができます。いずれオーディオアンプについても記事を書こうと思っています。

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スピーカーの上のカワセミ